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ヒトと同様に犬や猫においても外科手術が必要な疾患が多数存在します。手術に際して、意識がある状態では動物は痛みを感じ動いてしまうため当然体にメスを入れることはできません。動物が動かないようにする(不動化)ためと、痛みを感じないようにする(無痛化)ために、手術中は麻酔をかけることになります。しかし、麻酔は手術のために役に立つ一方で、呼吸を抑制したり血圧を低下させたりといった体に対しての生理機能を低下させる作用も引き起こしてしまいます。麻酔に対してのリスクが高いか低いかの一つの要因は、麻酔による生理機能低下をカバーするだけの「予備機能」がしっかりしているかどうかの違いでもあります。その予備機能を調べるために、術前に血液検査などを実施して動物の状態をしっかりと把握することが重要になります。
現在の麻酔は昔と比べて安全性は飛躍的に高くなりました。体への負担がより少ない麻酔やその組み合わせも開発され臨床現場で使われるようになっています。医療機器も発達して麻酔中の体の状態をしっかりと細かくモニターできるようにもなっています。それでも、やはり麻酔のリスクは“ゼロ”ではありません。リスクを乗り切ったその先に、手術によって得られる大きな利点があるからこそリスクを承知で動物に手術を行うのです。
当院では麻酔モニターや手術器具などの設備および技術ともに充実しており、他院からの手術依頼も数多く引き受けています。お気軽にご相談下さい。 |
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これ以降、術中写真が掲載されていますので閲覧にはご注意ください。 |
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<交通事故による猫の足根部皮膚欠損:遊離皮膚移植術> |
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術 前 |
術 後 |
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<電気コードを噛んだ感電事故による猫の口唇脱落:有茎皮膚移植術による口唇形成術> |
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術 前 |
術 後 |
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<イノシシによる犬の胸部外傷> |
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左胸部外傷 |
損傷は胸壁を貫き
胸腔内にまで達していた |
術 後 |
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口腔内疾患において外科手術が必要な主な疾患には乳歯遺残、歯石による歯周病、口内炎、歯根膿瘍、嚢胞、口腔内腫瘍などがあります。 |
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<犬の重度歯石:歯石除去> |
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術 前 |
術 後 |
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<猫の歯周病:抜歯およびフラップ形成術> |
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術 前 |
術 後 |
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<犬の乳歯遺残による不正咬合:乳歯抜歯> |
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術 前 |
術 後 |
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消化管閉塞とは何らかの原因により食物の通過が障害された状態で、食欲廃絶、嘔吐、腹痛、腹囲膨満などの様々な症状を呈する疾患です。消化管閉塞の原因として多くみられるのは「異物の誤飲」「腸重積」「消化管腫瘍」などです。これらの疾患は生命に関わるため速やかな診断と早急な外科手術が必要になります。 |
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誤って摂食してしまった異物(石、木片、ビニール、ボール、消化困難な食物など)が原因で消化管閉塞を引き起こします。異物が胃内に留まっていれば、内視鏡下で鉗子を用いて異物を摘出することが可能な場合もありますが、摘出困難な胃内異物やひも状異物、小腸に進んでしまった異物などは消化管切開手術による異物の摘出が必要となります。 |
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<犬の消化困難なタケノコの多量誤食:胃切開術> |
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胃切開術 |
摘出したタケノコ |
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<犬の異物誤飲:腸切開術> |
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腸切開術 |
摘出した異物 |
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<猫のひも状異物誤飲:腸切開術> |
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腸切開術 |
摘出した糸 |
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<犬の異物誤飲:内視鏡による異物摘出> |
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内視鏡による異物摘出 |
摘出した異物 |
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<犬の異物誤飲:異物閉塞による胸部食道狭窄症に対して胸部食道切除術> |
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食道狭窄部位 |
食道切除 |
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胃拡張/胃捻転は何らかの原因により胃がガスで過剰に拡張して起こる急性疾患で、一般的にグレート・デーン、セント・バーナード、ジャーマン・シェパードなど胸郭の深い大型犬に好発します。胃内容物の排出は阻害され空気による胃の拡張が進行し、時には脾臓の捻転も伴います。胃の拡張は肝門脈と後大静脈を閉塞し、胃壁の壊死、腸のうっ血、心臓の虚血、重度のショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)、不整脈などを引き起こし、適切な治療を受けても罹患犬の約25~45%は死に至ります。胃の減圧や輸液などによる対症療法にて全身状態が安定したらできるだけ早急に外科手術を実施します。手術内容としては胃の整復、胃・脾臓・消化管の障害程度の確認、必要であれば壊死組織の摘出除去、再発防止のための胃腹壁固定術を実施します。 |
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<犬の胃捻転:胃腹壁固定術> |
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顕著に拡張した胃 |
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巨大結腸症とは大腸の持続的な拡張と運動性の低下により重度の便秘を呈する状態のことです。発症の原因として「結腸の運動性の異常」と「排泄路の狭窄」の2つに大別されますが、猫では原因が不明確な特発性巨大結腸症と呼ばれる便秘が問題となることが多く、中年以降の猫でよくみられます。内科治療(食事療法、緩下剤、浣腸など)に対して効果が出ない症例や再発を繰り返す症例には「結腸切除術」が行われ、骨盤骨折の変形癒合などにより骨盤腔が狭窄している症例では「骨盤拡張術」による外科手術を検討します。 |
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骨盤拡張術には様々な方法が用いられますが、当院では骨盤腔狭窄のある猫に異種骨(犬の骨の一部)を坐骨間に挿入することで骨盤拡張を行い良好な治療成績を得ています。 |
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<猫の巨大結腸症:結腸切除術> |
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巨大化した結腸 |
切除した結腸 |
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<猫の骨盤狭窄による巨大結腸症:異種骨移植による骨盤拡張術> |
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術 前 |
術 後 |
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胆嚢は肝臓で産生された胆汁を濃縮・貯留しておく袋状の臓器です。犬において発生する主な胆嚢疾患には、胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫、胆泥・胆石などがあります。その中でも胆嚢粘液嚢腫は中年以降の犬において認められ、胆嚢内に糖タンパクを主成分とする粘液様物質(ムチン)が貯留して胆嚢拡張を起こす疾患です。脂質代謝異常、内分泌疾患などが背景として関与していると考えられており、その他にも遺伝的要因など多くの要因の関与が推察されています。また、シェルティー、M・シュナウザー、コッカースパニエルなどはこの疾患の好発犬種として知られています。内科療法では根治せず、病態が進行すると胆嚢炎や胆嚢壊死を合併しておよそ50~60%の割合で胆嚢破裂を起こし生命に危機が生じます。従って、根治的治療には外科手術による胆嚢切除術が必須になります。 |
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<犬の胆嚢粘液嚢腫:胆嚢切除術> |
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拡張した胆嚢 |
切除した胆嚢 |
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<犬の破裂した胆嚢粘液嚢腫:胆嚢切除術> |
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破裂した胆嚢 |
切除した胆嚢は壊死を起こしている |
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<犬の破裂した胆嚢粘液嚢腫:胆嚢切除術> |
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破裂した胆嚢と激しい胆汁性腹膜炎 |
切除した胆嚢は壊死を起こしている |
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<犬の胆石症:胆嚢切除術> |
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胆 嚢 |
切除した胆嚢内の
炭酸カルシウム結石 |
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正常な動物では、腸管から吸収されたアンモニアや細菌の毒素は「門脈」を通って肝臓に入り代謝・無毒化されます。ところが、この門脈と全身の静脈との間にバイパスのようなシャント血管が存在すると肝臓で無毒化されるべき有害物質が肝臓で処理されないまま直接全身にまわってしまいます。このような血管異常が生じたものを門脈体循環シャントとよび、有害物質の血液濃度が増大して脳障害など多くの全身障害を引き起こし、門脈血が肝臓に流入しないために肝細胞の萎縮あるいは肝臓の発育不全を来し、その結果として肝不全を呈します。また、併発症として膀胱結石が発生することもあります。
内科治療は蛋白制限食やラクツロースなどを投与することにより、アンモニアなどの有害物質の腸内での産生や吸収を抑制することで症状を緩和させ、生活の質の向上とある程度の延命を目的とします。長期延命または完治を期待するためには外科手術が必要不可欠となります。シャント血管を完全または部分閉鎖することにより、有害物質を含む門脈血を肝臓に流入させ、代謝・解毒させるとともに肝臓の発達を促し、肝機能が正常化することを期待するものです。 |
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赤線が異常なシャント血管 |
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<猫の左胃静脈シャント:アメロイドコンストリクターによるシャント血管閉鎖> |
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糸の部分がシャント血管 |
アメロイドコンストリクターを設置 |
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腎臓・尿管・膀胱・尿道などの尿路に結石が形成される疾患を尿路結石症といいます。
上部尿路(腎臓、尿管)に結石が形成されると血尿や疼痛などの症状を呈し、下部尿路(膀胱、尿道)では頻尿、有痛性排尿障害などがみられます。症状は間欠的なことも無症状のこともありますが、尿管結石や尿道結石では尿路閉塞による急性腎不全の危険性があります。結石には様々な種類があり、食事療法によって溶解可能な結石もありますが、結石の数が多かったり結石が大きかったりする場合あるいは食事療法による溶解が不可能な場合、結石の摘出手術を検討する必要があります。 |
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●腎結石 |
・・・ |
腎切開術によって摘出します。 |
●尿管結石 |
・・・ |
尿管切開術によって結石を摘出します。しかし、超小型犬や猫では尿管が非常に細くこれらの手術は困難なため、尿管膀胱吻合術や腎臓から直接体外に尿を排泄させるための「腎瘻チューブ」、腎臓と膀胱をカテーテルで繋ぐ「皮下尿管バイパス」を設置することもあります。いずれにおいても尿管結石の手術は尿管狭窄などの術後合併症を起こす可能性もあり、手術には高度な技術を要します。
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●膀胱結石 |
・・・ |
膀胱切開術によって膀胱内の結石を摘出します。 |
●尿道結石 |
・・・ |
尿道内の結石を膀胱内に押し戻し、膀胱切開術によって摘出します。しかし、結石が尿道内で硬固に閉塞している場合は、会陰部や陰嚢付近の尿道を切開して結石を摘出あるいは新たな尿道口を開口させる「尿道瘻形成術」を行います。 |
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<犬の膀胱結石:膀胱切開による結石摘出術> |
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膀胱切開 |
摘出した膀胱結石 |
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<猫の尿管結石:尿管切開術による結石摘出術> |
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尿管切開 |
摘出した結石 |
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<猫の尿管結石:腎瘻造設術> |
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腎瘻チューブの設置 |
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<猫の尿管結石:皮下尿管バイパス術 (SUB;Subcutaneous Ureteral Bypass)> |
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腎臓と膀胱にカテーテル設置 |
腎瘻カテーテルと膀胱
カテーテルを皮下ポートで連結 |
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<猫の尿道結石:会陰部尿道瘻形成術> |
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子宮蓄膿症は、子宮の中に膿がたまる激しい細菌の感染症です。最も一般的にみられるのは、発情終了後数週間から数ヶ月の発症です。明らかな発症メカニズムは確定されていませんが、発情を繰り返すことで卵巣から分泌される「黄体ホルモン(プロジェステロン)」の作用により子宮内膜の嚢胞性増殖が起こり、易感染性となった子宮内で外陰部から侵入した細菌が増殖すると考えられています。この病気はゆっくりと進行し、時には膿が子宮壁の一部から腹腔内に漏れ出て腹膜炎を起こしたり、多臓器不全などの合併症を引き起こし死に至ることもあります。
治療としては内科治療と外科治療が挙げられますが、ほとんどの場合において外科手術(卵巣子宮摘出術)が行われます。手術に伴う死亡率は約5~8%程度ですが、高窒素血症などを併発していると死亡率は上昇します。また、子宮破裂を起こしている場合、死亡率は20~57%と急上昇しますので、外科手術をできるだけ早期に実施することが最良の結果を出すポイントになります。内科治療は、若くこれから繁殖する予定があるなど特別な動物に限って行われますが、子宮破裂の危険性や再発率が高い(19~77%)こともあり適応は限られます。 |
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<犬の子宮蓄膿症:卵巣子宮摘出術> |
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腫大した子宮 |
子宮内に貯留した大量の膿 |
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<猫の子宮蓄膿症:卵巣子宮摘出術> |
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腫大した子宮 |
嚢胞状過形成を起こした子宮 |
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短頭種気道症候群とは、先天的な形成不全による頭蓋骨の長さの短縮に伴い、軟部組織(外鼻孔、鼻腔粘膜、咽喉頭など)に異常が生じることで気道に様々な問題が発生する症候群をいいます。該当する主な犬種は、シーズー、パグ、イングリッシュブルドック、フレンチブルドック、ペキニーズ、ラサアプソ、シャーペイ、ボストンテリア、ボクサーなどです。気道の問題により呼吸障害が生じ、吸気時の喘鳴、いびき、吐き気、咳、嚥下困難、睡眠困難、呼吸困難、チアノーゼ、高体温などが発生し、時に生命の危機が生じることがあります。外科手術による鼻翼切除術や軟口蓋切除術を行うことで呼吸障害の解消を目指します。 |
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<犬の短頭種気道症候群:鼻翼切除術> |
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術前 |
術後 |
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<犬の短頭種気道症候群:軟口蓋切除術> |
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術前 |
術後 |
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高齢の未去勢の雄犬に多い病気の一つです。会陰部(肛門、陰部の周辺)を囲む筋肉群が萎縮し、その結果できた筋肉の隙間「ヘルニア孔」から、消化管や膀胱などの腹腔内臓器が脱出してしまう疾患です。会陰部の腫脹、排便困難・便秘、排尿困難などの症状がみられ、動物のQOLは低下します。根治的治療には外科手術が必須で、会陰部周辺の組織(筋肉、靭帯など)や人工物を用いてヘルニア孔を閉鎖します。また、直腸の拡張や変位がみられる場合は開腹して直腸を腹壁に固定することもあります。 |
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<犬の会陰ヘルニア:筋肉縫合によるヘルニア修復術> |
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術前 |
術後 |
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鼠径とは内股の後肢のつけねの部分のことをいい、本来なら腹腔内にあるはずの腹膜や腸の一部が鼠径部の筋膜の間から皮下に出てくる下腹部のヘルニア疾患です。根治的治療には外科手術が必須になります。 |
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<犬の右鼠径ヘルニア:メッシュによるヘルニア修復術> |
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鼠径部の広範囲なヘルニア孔 |
メッシュによる修復 |
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横隔膜ヘルニアとは、胸部と腹部を隔てている横隔膜に穴が開き、そこから肝臓や腸管などの腹腔内の臓器が胸腔内に侵入してしまう病気です。腹腔内の臓器が胸腔内に入り込んでしまうと肺が縮んで膨らむことができず、重度な呼吸障害を起こし生命に危機が生じます。原因は外傷性と非外傷性に大別され、外傷性は交通事故や高所からの転落、蹴られるなどの強い衝撃によって腹部の圧力が上昇し、横隔膜が破裂してヘルニアを発症します。非外傷性は発育障害によって先天的に横隔膜の一部または全域が欠損して発症します。いずれも根治的治療には外科手術が必須になります。 |
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<猫の横隔膜ヘルニア:ヘルニア修復術> |
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横隔膜のヘルニア孔 |
ヘルニア孔を閉鎖 |
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関節が外れることを脱臼と呼びますが、動物でよく見られる主な脱臼は「股関節脱臼」と「膝蓋骨脱臼」です。
股関節脱臼は一般的に交通事故や転落事故で発生し、まず麻酔下にて用手により脱臼の整復を試みますが再脱臼することも多く、その場合は外科手術が検討されます。外科手術では関節包再建術、経関節ピン法、トグルピン法、大腿骨頭切除術などが行われます。
膝蓋骨脱臼は膝蓋骨(膝のお皿の骨)が内側または外側に外れ、トイ種などの小型犬でよく見られます。一般的に見られる膝蓋骨内方脱臼では、膝蓋骨が内側に外れ足はまっすぐに伸ばせず、大腿骨は外側へ下腿骨は内側に曲がりO脚になります。脱臼によりO脚が続くと、膝の内側半月板が擦り切れ関節炎や骨変形が起こり、時に前十字靭帯断裂を起こすこともあります。内科療法では根治せず、軽症例では対症療法で経過をみますが、重症例では外科手術が検討されます。外科手術では滑車溝形成術、脛骨結節転移術を中心に補助的にその他の方法(関節包縫縮術、内側広筋切離)も行われます。 |
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股関節脱臼 |
膝蓋骨内方脱臼 |
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<犬の右股関節上方脱臼:アンカースクリューを用いた関節包再建術> |
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術 前 |
術 後 |
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<犬の膝蓋骨内方脱臼 グレード3:滑車溝形成術> |
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滑車溝形成術 |
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前十字靱帯は膝関節内で大腿骨と脛骨が前後にずれるのを防ぐ役目を果たしており、加齢、肥満化、膝関節への過剰な負荷などが原因で断裂します。基礎疾患として膝蓋骨内方脱臼を有している犬では、前十字靱帯断裂が起きやすい傾向にあります。前十字靱帯が断裂すると膝関節に痛みが生じ、歩行したり負重をかけたりすると関節に接している骨が前後に滑るので関節は異常な摩滅を受け炎症が起こります。外科手術として関節内固定法、関節外固定法、脛骨高平部水平骨切り術(TPLO)などが症例に合わせて行われます。 |
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<犬の前十字靭帯断裂:脛骨高平部水平骨切り術(TPLO)> |
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術前 |
術後 |
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骨折は過剰な力が骨に加わった時に発生し、多くは交通事故や転落事故などで見られます。骨折では多くの場合、外科手術が必要になり、その方法も単純なものから複雑なものまで多岐にわたり、骨折の発生部位や状況、患者の性格、飼育環境などを考慮して決定します。代表的な手術方法としてプレート固定、髄内ピン、創外固定などがあり、これらの方法を単独もしくは複数を組み合わせて行います。 |
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<犬の上腕骨内顆骨折> |
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術前 |
術後 |
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<犬の橈尺骨骨折> |
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術前 |
術後 |
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<猫の脛骨骨折> |
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術前 |
術後 |
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<猫の骨盤骨折・仙腸関節離断> |
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術前 |
術後 |
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背骨はいくつにも分節した骨より構成され、背骨の中は空洞になっており太い脊髄神経が通っています。各々の背骨と背骨の間には椎間板(髄核)と呼ばれるクッションの役目を果たすゼラチン様の物質があります。この椎間板が様々な原因で潰れ、上部にある脊髄神経に突出して障害を起こす状態を椎間板ヘルニアといいます。椎間板ヘルニアは加齢に伴ってよく発生する病気の一つですが若齢でも発生する場合があり、M・ダックスフンドやビーグル、シーズー、コーギー、フレンチブルドックなどに好発します。軽症例では内科療法で経過をみますが、重症例では椎弓切除術などの外科手術が検討されます。 |
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<犬の頸部椎間板ヘルニア ハンセンI型:片側椎弓切除術> |
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椎間板物質が脊髄を圧迫 |
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